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港区 料理サロン ひとつむぎ を主宰する あこ のおいしい徒然日記

2011年 台湾旅行 − 台湾茶の魅力 −

Posted on Oct 5th, 2011

王徳傳1_Y 
台湾茶や中国茶に抱いていた私のイメージは
「茶葉に精通し、道具や作法を知らなければ楽しめないもの。」
というものでした。
しかし今回、台湾で様々なシチュエーションでたくさんのお茶をいただき、
そんな堅苦しいイメージは一掃されました。
台湾の茶藝文化はお茶をよりおいしく淹れるための工夫や美しい作法があるものの
厳密な決まりなど存在せず、茶を淹れる亭主と客人の好みやその日の気分で
手順や道具などにとらわれず真心をこめて
” おいしいお茶を淹れる ”
この一点に集中すればよいのです。
台湾茶の魅力3_Y 
台湾茶の魅力は茶葉を育む山そのものにあります。
そして一枚の茶葉には大自然の奥義がたくわえられています。
どのような匂いも茶葉と一緒においておくと、その匂いはたちまち茶葉に吸収されます。
ジャスミン茶などの花茶は花びらと茶葉を一緒にしておくと、
花の香りが茶葉によって吸収され、蓄えられることを利用したお茶です。
つまり、山に育つお茶の木は周囲の大自然の息吹、
山水の気質を思いっきり茶葉に吸収しているのです。
台湾の高山茶の香りは、よく「高山気がある」と表現されます。
人は森林浴をすると気分がすっきりしてリフレッシュしますが、
これは樹木が昆虫や微生物などから身を守るため
害虫を忌避させる抗菌、防虫、消臭効果のある揮発性の物質をを自ら作り出して
発散させているからだそうです。
この森から出てくる独特の香りや風味によってお茶は珠玉の香りと味わいをたくわえます。
一服のお茶の芳しい香りに、たちまち山頂へ導かれ、
山の清らかな息吹を感じる。。。
古来からお茶が人の心をとらえて離さない理由が分かったような気がします。
そんなお茶の奥深さに私もすっかり魅了されてしまいました。

例外はあるものの、総じて台湾ではお茶の値段は茶産地の標高に比例しています。
なぜなら茶樹は高山地であればあるほど肉厚で密度が濃く、
佳い茶葉を育む自然環境に恵まれているからです。
台湾茶の魅力1_T 
茶葉は強すぎる日射しを嫌います。
起伏に富んだ高山地は朝夕に限らず霧がよくかかり日射しは弱められ
茶葉に含まれている水溶性の糖分やアミノ酸などの旨味成分が増加します。
そして昼夜の寒暖差の大きい高山地では茶葉はゆっくりと生育し、
その間寒さに抵抗しながら、強く逞しく、葉自体の厚みを増し、
旨味成分を茶葉に蓄えていくのです。
また、様々な樹木が生い茂る高山地の肥沃な土壌で育つ茶葉には旨味成分や芳香物質が
多く蓄えられます。
山深い高山地では原生林の天然の抗菌・防虫効果の恩恵を受け農薬を使う必要がありません。
お茶も野菜と同じ、農薬や化学肥料を使ってしまうと、お茶本来のおいしさは消えてしまいます。
佳いお茶は農薬はもちろんのこと、化学肥料や食品添加物、防腐剤などの化学合成物質の汚染を
一切受けないよう管理されています。
台湾茶の魅力1_Y 
茶葉は純真無垢。
生育する環境がお茶の味や香りにストレートに反映されます。
考えてみればとってもシンプルで当然のこと。
野菜やワイン、人間だってみんな一緒ですね。
そんなあたり前のことに気がついてからは肩の力が抜け、
お茶選びが格段に楽しくなり、
一服のお茶から得られる感動も大きく広がり
深まった気がします。
台湾茶1_T台湾茶2_T
今回私が台湾で訪ねたお茶屋さんをいくつかご紹介させていただきます!!

お茶屋さん
【意翔村(イーシャンツン)】
意翔村1_Y 
お店というよりは、事務所と言ったほうが適切な雰囲気のお茶屋さん意翔村。
こちらの主人の陳さんは、毎年台湾で行われる台湾茶品評会の有名鑑定士であったそうで、
「こちらに行けば確かなお茶が手に入る。」とご紹介いただいていたので訪ねてみました。
お店に入っていくと雑談中の男性たちが席を立ち、陳さんがニコニコ顔で招き入れてくださいました。
おいしい台湾茶が欲しいと伝えると手際よく6種類のお茶の試飲をさせてくださいました。
普通の茶荘だと、お薦めのものやこちらが指定した茶葉を試飲しますが、
こちらは一気に6種類同時に試飲できるので、それぞれの茶葉の外観、香り、味わいを比較することができます。
台湾茶初心者の私にとっては、この試飲方法でまずは自分の好みを明確に知ることができ、
次の段階では同じ茶葉、産地の違いでお茶の味わいがどう違ってくるのか、
発酵、焙煎の度合いによって現れてくる違いなども
五官で実感することができます。
まるでワインスクールのテイスティングのようで非常に納得満足な試飲方法です。
ワインとお茶って共通点がたくさんあるような気がします。
なによりテロワールが仕上がりを大きく左右するというところに最大の魅力を感じます。
意翔村2_Y 
試飲はどの茶葉も3g、熱湯を注いで5分。
まずはスプーンを器に沈め、引き上げて香りを聞きます。
他の茶荘では、手のひらにすっぽり収まる小さな筒状の聞香杯という器で香りを聞きますが、
もと鑑定士で一日に何十、何百と鑑定されていた陳さんならではの方法でしょうか。
スプーンを水の入った茶海に通して、香りを流し次々と他のお茶の香りを聞くことができます。
なんて合理的で、なんて分かりやすい!!
優雅にお茶 といった雰囲気ではありませんが、台湾茶のなんたるかを理解したい方には
うってつけの方法で、とっても勉強になります。ありがたいです。
次のステップはスプーンで茶をすくって試飲用の茶杯に移し味を試します。
そうこうしている間に、湯の温度は次第に下がっていき、
さらに顕著にそれぞれのお茶の特徴が現れてきます。
香りの持続性、渋み、
陳さんはにっこり微笑んで
「冷えても美味しいお茶はいいお茶ですよ。」
と教えてくださいました。
凍頂烏龍茶高山烏龍茶 
凍頂烏龍茶と高山烏龍茶
凍頂烏龍茶の茶葉よりも歯肉が厚く、特有の香気と滋味深い味わい。
肉桂烏龍茶蜜香烏龍茶 
肉桂烏龍茶と蜜香烏龍茶
台湾で肉桂をはじめて見ました。
大陸のお茶というイメージがありましたが、あるんですね台湾にも。
お話をうかがうとそれもそのはず、今から20年ほど前に肉桂を大陸から持ち込み茶葉を移植されたのは
こちらの陳煥堂老師らしく、台湾肉桂の総本山的存在であることが分かりました。
大陸のものとは製茶方法が異なり、中発酵中焙煎で、
しっかりめに柔捻がかけられています。
香りは甘く、蘭系の花香を彷彿とさせる優雅なお茶です。
” 甘美 ” という表現がぴったり
ボディとっても軽やかですが旨味はしっかりしています。
好きです。私好みです はぁ〜 おいしぃ〜
このお茶は、ちょっぴり走り過ぎてしまった日、深くリラックスしたい夜に淹れたらきっと最高。。。
古典美人茶東方美人茶 
古典美人茶と東方美人茶
意翔村Y 
意翔村(イーシャンツン)
おすすめ度:★★★★ (台湾茶をまじめに理解したい方向け!)
住所: 台北市新生南路一段161巷6-2号
電話番号: (02)2703-0394
営業時間 :9:30〜18:30
休業日: 日曜日
クレジットカード 不可、現金のみ、日本円もOK!
*日本語 まあまあ
【新純香(シンチュンシャン)】
新純香1_T新純香2_T 
こちらで取り扱っているお茶は20年という付き合いの、信頼の出来る茶農家から仕入れたものだそうで、
種類も豊富で、商品も値段も一覧になっていてとにかく分かりやすい、
選びやすい、試飲もゆっくりさせていただき、お茶うけもたくさんいただいてしまいました。
50gからの小分けのパッケージのお茶も充実しているのでお土産を選ぶのに苦労しません。
私は「包種茶(清茶)」と「青心烏龍」、「東方美人(白毫烏龍)」を
試飲させていただきました。
お茶もさることながら、こちらのお茶うけはどれもお茶の邪魔をしない優しい味わいでおいしいです!
私は砂糖漬けの甘酸っぱいサンザシ、シイタケチップ、甘納豆に似た味わいの蓮の実を購入しました。
新純香Y 
新純香(シンチュンシャン)
おすすめ度:★★★ (上品なお茶うけとお土産探しに!)
住所: 台北市中山北路一段105巷13−1号
電話番号: (02)2543-2932
営業時間: AM 10:00〜PM 10:00
休業日: 旧暦の大晦日から六日間
*日本語 可
【王徳傳(ワンダーチュアン)】
王徳傳2_Y 
台南で140年あまりの歴史を持つ老舗の茶荘が、台北にオープンさせたというお茶屋さん。
こちらのお店には茶荘めぐりの最後のほうに訪れたので、
台湾烏龍茶はもう十分両手に抱えており、
未だ未体験だったプーアール茶をいただくことに。
黒製プーアール茶1_T 
黒製プーアール茶
私は大陸系の烏龍茶やプーアール茶は味わいが強すぎるイメージがあって
あまり好きではなかったのですが、こちらのプーアール茶はとてもやさしく、
コクはあるのだけど、嫌な渋みや香りは一切なくとても心地よいものでした。
私が今まで飲んだプーアール茶で一番おいしかったです。
王徳傳3_Y 
店内には赤い茶缶がずらり。
私はこちらのお店のインテリアがとっても気に入りました。
モダンと古典がミニマムな空間のなかで心地よく同居していて、
さりげなく配された控えめな植物や窓の外の小さな庭が心を潤してくれるような美しい空間でした。
アンティークのテーブルの上の茶器たちもとっても私好みです!!
ただ店員さんが ”店の主人” というよりは 雇われた”従業員”といった雰囲気で、
びっくりするほど無愛想。
聞きたいことはたくさんありましたが、あまり質問する気になれず
お茶を試飲させていただいた後、お買い物を済ませて足早にお店を出ました。
王徳傳Y 
王徳傳(ワンダーチュアン)
おすすめ度:★★(大陸のお茶、インテリア素敵!)
住所: (王徳傳)台北市長春路14 -1号1F
電話番号 :(王徳傳) (02)2561-8738
営業時間 :10:30〜21:00/旧大晦日 10:30〜18:00、旧曆1月1日と1月2日休み。
休業日: 年中無休
*日本語 少し
ホームページ: www.dechuantea.com (中国語)
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茶藝館

【徳也茶喫(ターイエツァーチー)

徳也茶喫2_Y 
点心がおいしい&美しいと有名なお店です。
私は金萱茶と荷花酥という蓮の花に見たてたパイのようなお菓子をいただきました。
結構甘くてボリューミーです。
徳也茶喫2_T 
荷花酥
こちらのお菓子単体としてはおいしいのですが、
お茶に合わせるにはちと甘く、濃厚過ぎる気がしました。
こざっぱりとしていて可もなく、不可もなくといった雰囲気。
徳也茶喫1_Y 
徳也茶喫(ターイエツァーチー)
おすすめ度:★★
住所 :台北市鎮江街3-1号(喜来登大飯店の真後ろ)
電話番号: (02)2396-8036
営業時間: 11:00〜22:00(ランチ11:00〜14:00、ディナー17:30〜22:00)
休業日: 旧正月3日間は休み
*日本語 可

【回留(ホェリョウ)】

回留2_Y 
鼎泰豊本店の裏手に広がるお買い物エリア永康街。
永康街は台北のちょっとしたお買い物エリアで路面店が続きます。
私も何店舗かチェックしてお買い物に出かけましたが、いまいち欲しいものを見つけられませんでした
でもこのエリアは緑地が散在していて雰囲気がとても良いので鼎泰豊で小籠包を食べた後など
ブラブラ歩きにおすすめです。
かき氷屋さんやなぜか小洒落たカフェなどもたくさんあります!!
回留はそんな永康街の永康公園に隣接している、とってもロケーションのよい茶芸館です。
アメリカ人の旦那さまと台湾人の奥様夫妻が経営する茶芸館だそうで、
店内には、台湾にかぎらずご夫婦が旅先で集めた茶器や小道具が並びます。
回留では、鉄観音、白毫烏龍、渓阿野、紅水烏龍などのお茶を楽しめます。
回留1_Y 
回留(ホェリョウ)
おすすめ度:★
住所:台北市永康街31巷9号
電話番号: (02)2392-6707
営業時間: 11:30〜22:00、
    Lunch 11:30〜14:00
    Afternoon Tea 13:30〜17:00
    Dinner 17:30〜21:00
休業日: 旧正月と他に不定期に行われる掃除の日あり
*日本語可

【小慢(シャオマン)】

建物は日本式の家屋で、入り口の黒い瓦屋根が目印の茶芸館。
周辺は緑が多く、静かで心地よい環境の良いエリアです。
こちらのオーナーさんはとても感じの良い日本人女性でした。
お茶&お食事するスペースとちょっとした空間の隙間にギャラリースペースも設けていらっしゃいます。
オーナーさんの感性で厳選したインテリアや茶器、壷、盆栽などが、これまた抜群のセンスで配されています。
窓の外の小さな坪庭や半分オープンになった調理場も素敵。
東京の洗練されたギャラリーによくあるような空気感。。。
私がもし台湾に住んでいたら、きっとしょっちゅう通ってしまうお店かもしれません。
台湾在住の日本人の奥様方に人気があるのも頷けます。
今回は私は旅で台湾を訪問しているので、旅の目的も台湾らしさ、台湾でしか出会えないものを
求めていたのでニーズがあわずギャラリースペースだけ拝見してお店を後にしました。
小慢さんでは定期的に茶懐石なども開催しているそうです。
小慢T 
小慢(シャオマン)
おすすめ度:★★★
住所 :台北市泰順街16巷39号
電話番号: (02)2365-0017
営業時間 :10:00〜18:00
休業日: 月曜日
*日本語可
【紫藤廬(ツートンルー)】

紫藤廬1_T 
紫藤廬は80年前日本統治時代大正末期に建てられた日本家屋で市の文化史跡として登録されています。
オーナー周渝氏の両親は共産党が支配した大陸から幼い子供たちを連れて台湾に逃れ、
経済学者だった父親が台湾大学で教壇に立つようになると自宅には学生や知識人が集まってきて、
お茶を飲みながら討論、研究の場として使われてきまたそうです。
そんな父親の姿を見て育った現オーナーさんは自宅を開放して
「だれもがお茶を飲みながら文化を語り合える場所を。」
と茶芸館を開いたそうです。
これまで改装を重ねてきているそうですが、
現在でも、上海生まれの父親が作った暖炉や洋間、藤棚、鯉の泳ぐ池の庭は健在で
レトロで素朴、洗練された感じはありませんが落ち着いた空間となっています。
紫藤廬1_Y 
紫藤廬(ツートンルー)
おすすめ度:★
住所: 台北市新生南路三段16巷1号
電話番号: (02)2363-7375、9459
営業時間 :10:00〜23:00(食事ができるのは11:30〜14:00、17:30〜20:00)
休業日 :年中無休(旧正月数日間は休み)
*日本語 可

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